まだまだなくならない不動産業界の悪しき習慣「物件の囲い込み」とは?
物件の「囲い込み」とは賃貸物件の募集や不動産の売却を依頼をした不動産会社が
他社には紹介せず、自社で抱えている購入希望者や直接お問い合わせを頂いた
購入希望者にしか物件を紹介しない行為のことです。
賃貸仲介・売買仲介どちらでもあり、不動産会社の規模に関係なく、
大手・中堅の不動産会社でも行われています。
なぜ「物件の囲い込み」を行うのか?
なぜ不動産会社は「物件の囲い込み」を行うのでしょうか。
不動産会社は両手仲介を成立させるために「物件の囲い込み」を行います。
賃貸仲介の場合の成約時の報酬は「賃料の1ヶ月分」
売買仲介の場合の成約時の報酬は「売買価格×3%+6万円」
と定められています。
貸主様・売主様のお手伝いをさせて頂く場合には成約時に上記の報酬を頂きます。
(これを不動産業界では片手仲介と言います。)
さらに自社で借主様・購入者様を見つけて直接契約を成立させた場合には
借主様・購入者様からも報酬を頂きますので、自社で直接契約をした場合には
2倍の報酬が不動産会社に入るのです。
(貸主・売主からの報酬と借主・買主からの報酬を頂く事を両手仲介と言います。)
「物件の囲い込み」をする不動産会社は両手仲介をしたいがために「物件の囲い込み」
を行うのです。
貸主様・売主様の不利益でしかありません。
上記のように両手仲介をしたいために「物件の囲い込み」を不動産会社はするのです。
貸主様・売主様の中には「物件の囲い込み」をしても良いから成約してくれればいいよ!
という方もいるかもしれませんが、「物件の囲い込み」をされてしまうことで
借主・購入希望者の間口が狭くなってしまい、
幅広く募集をすることができませんので、不利益を被ってしまいます。
結果的になかなか成約できず、
・「家賃が高すぎるので家賃を下げましょう!」
・「売却価格が高すぎるので金額を下げましょう!」
と提案をされることになります。
実際にあった「物件の囲い込み」の体験談
それでは実際に「物件の囲い込み」をされてしまい借主・購入希望者に物件を
ご紹介できなかったケースをご紹介します。
【ケース1】
中古マンションの購入をお考えになられているご家族から「スーモに掲載されている
この物件見れますか?」とお問い合わせを頂きました。
レインズ(不動産会社しか閲覧できない不動産サイト)で確認しましたが、
物件の掲載がなかったため、物件を掲載されている
不動産会社に問い合わせをしたところ、
「そちらの物件は申し込みが入っています。」(←お決まりの言葉です。)との事。
自社で成約できなかったのか数ヶ月後レインズに掲載されていました。
【ケース2】
土地の購入をお考えのお客様にレインズに掲載している売土地をご紹介するために
物件確認の問い合わせを不動産会社にしたところ、「物件はあります。」との事。
確認事項があったので「担当者に繋いでほしい。」と伝えたところ、外出中だった
みたいでしたので、時間をずらして連絡をし、
確認事項を尋ねると「現在、調査中です。」
販売図面をもうらおうとすると「現在、作成中です。」
最終的には「接客中なのでもう切ってもいいですか?」と言われる始末。
後日電話をすると「そちらの物件は終了しました。」との事。
明らかに物件を紹介する気ゼロですね(苦笑)
【ケース3】
新築限定の賃貸物件を探している単身者に物件をご紹介するため、
スーモやホームズなどのポータルサイトで物件を探していると、
条件に合う物件を発見したので詳細を見ていると、
「弊社管理物件のため、弊社のみでご紹介可能!」と記載がありました。
この時点で「物件の囲い込み」確定ですね(汗)
ダメもとで問い合わせてみると案の定「申し込みが入っています。」との事。
「お客様が気に入っていてどうしてもご紹介させて頂きたいのですが。」と
しつこく問いただすと「弊社に直接ご来店頂いたお客様のみにご紹介しています。」
という回答。これも「物件の囲い込み」です。
上記3つのケースは実際にあった本当の話です。
貸主様・売主様にとって「物件の囲い込み」は不利益でしかありません。
せっかくの借主・購入希望者を逃してしまい、物件の成約が長期化してしまいますので、
「物件の囲い込み」には十分に注意しましょう。
関連した記事を読む
- 2024/10/19
- 2024/10/19
- 2024/08/09
- 2024/04/26